ゲーム開発者が偉ぶるブログ

ゲーム開発のビジネスやマネジメントについて日々思うことをあれこれ偉ぶって書き綴ったもの。

部屋の中の象問題?

こんな記事を読んだ。

http://shogonu.tumblr.com/post/150304664517/人が集まるところには必ず発生する問題それが家の中の象問題家の中に象がいたら誰でも何で象がいる

プロジェクトに対してのスタッフの事なかれ主義な面について取り上げられている。

これは「人間関係を壊すから」の一言では表せない。
その環境に問題は山のようにある。

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ゲーム開発の職人はどこへいくのか?

例えばスーパーファミコンSFC)の時代。
プレイステーション(PS1)やプレステ2PS2)の時代。

この頃は、職人が沢山いた。
グラフィックデザイナーであれば、SFCではドッターが。PSではローポリモデラーが。

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守りに入ると悪いのか?

ゲーム業界は技術も情勢も目まぐるしく変わるため、変化への対応力が無いと取り残される‥という危機感を抱く人は多いように思う。

なので、業界歴が長くなり新しいことへの挑戦に対して抵抗する人を「守りに入る」と表現して批判する意見をよく見かける。

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Uncharted 4 について思うこと

「Uncharted 4」をクリアまで一通りプレイして思ったことを書いてみる。
ただ絶賛するだけの声が多いので、逆に気になった部分を主に取り上げた。

 ※ほんの少しだけネタバレがあるのでご注意

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管理職について

こちらの記事を読んだ。メモしておく。

http://blog.tinect.jp/?p=22097

 

組織の硬直化も防げるし、大半の平社員にチャンスが巡りやすい印象を与え、上司に気に入られるよう不必要な努力をすることも減ってメリットが多いように思う。

ただ最初に指摘されているように「他に適任所はいるか?」という問いに対して「いない‥」という場面もある。というか多いと思う。

誰もが地位と発言権と昇給は欲しいだろうが、管理の煩わしさと責任に耐えられるかやプロジェクト全体を俯瞰して対処することができるかといった向き不向きはかなり人を選ぶ。

相当なストレス耐性とコミュニケーション能力が求められる。

でもそれは体験してみないことには分からない。ので、短い任期で管理職を経験する人が増えるというのはスタッフ全体での納得感も増すのではないかと思う。

任天堂に入るには?

任天堂は日本のゲーム会社の中でも入社するのがとりわけ難しい会社な印象がある。

かつて非常に優秀な知り合い何人かが、中途採用で応募してダメだったという話を聞いてきた。

でも私には何となく理由が分かる。

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Ubisoftの開発について

こちらの記事を読んで。

今ならわかる。

Ubisoft本体のシリーズものの大規模プロジェクトは、開発序盤に新技術を検証して投入しつつタイトルのコアとなる新要素を実装すれば、後はアウトソースの管理に追われるだけの仕事と言えるのではと想像する。

アウトソースしていなくとも、大量のアセットを制作しなければいけない中で一体どれだけの人がクリエイティブな作業に関われることができているのかという問題がある。

プロジェクトの大きさから全体を把握できているスタッフが存在せず、専門分野ごとのセクションに分かれて“工場のライン工”のように働き、どのスタッフも替えのきくひとりでしかなかった

何がしんどいかというとこちらだろう。

記事中で会議について語られているように、自分の意見が反映されることは珍しいかも知れない。

もしもそういった大規模シリーズに関わりたい!と思っている場合は、目的を明確にしないといけないと思う。

例えば技術を自分のものにしたい場合だ。

これは入社さえずれば簡単というようなものではない。膨大な業務の隙間に他人のデータを開いてゆっくりチェックする余裕が無かったり、職人技を発揮するベテランが気軽にノウハウを伝授してくれるような環境じゃないかも知れないからだ。

その中で、残業や休日出勤してでもデータの中身を見て学び、普段から情報収集と自己研鑽を行い、スキルを発揮して社内で一目置かれる存在になり、ベテランの技術をどんどん自分のものにしていく‥ということができるだけの意志力を持てるのはほんの一握りの人間だろう。

だけど目標があると人間は強い。ただ任された業務をやり遂げるだけに終始する人間よりもモチベーションは持続でき、そういった環境でのストレスを少しでもスルーできる。

「もう十分だ。もうこのチームから学ぶことは無い」と思えたなら、会社を離れて自由にすれば良いと思う。

だが、技術の先端を行く企業というのは非常に能力の高い人間が多数在籍しており、刺激もあり、またそういう環境から離れると最先端の持続が途端に難しくなる。

また、うってかわってマネジメントに興味ある人間にとっては、大きなチームをコントロールするというやりがいもあるだろう。

そういった職場に魅力があるのも事実なのだ。