ノーティドッグの過酷な環境の話
こんな記事を読んだ。
やはりという感じだ。
ノーティドッグと言えば、看板タイトルであるアンチャーテッドシリーズではプレイステーション専用タイトルとしてハードウェアスペックを極限まで使い切る変態企業としての評判を耳にする。
他にもインタビューやメイキング、また海外で働く知り合いの開発者の話から総合して受ける印象としては、日本人が海外に抱く「プライベートを大事にするスタッフが効率良く優雅に開発を進める」ようなものではなく、どこまでも表現を追求する職人による精鋭で、古い技術も新しい技術も駆使して制作を追求する、日本で言えばスクウェア・エニックスのようなイメージに近いと感じる。
それだけではない。
アンチャーテッドと言えば非常にコンスタントなリリースを続けていることから(2チーム体制という話だが、間にThe Last of Usも挟んでいる)過酷であろうことは想像していた。しかし、それでもこの記事に書かれているような週7日勤務・毎日12時間以上の労働が10年続いてきたというのは想像を超えるものだ。
これは疲弊して当然だ。日本でもそこまで過酷な開発環境は珍しいだろう。
ノーティドッグと言えば、新作をリリースする度に恐ろしいほどのクオリティに世間が大きなインパクトを受けてきた。開発スタッフは自信やカタルシスも大きく得られているだろうが、あまりに長期間走り続けては体力も持たないし気持ちの糸もプツリと切れる。この「気持ちの糸」というのは単に過酷だからというだけではなく、同じスタイルのゲームジャンル、同じ開発コアメンバーが続くことへのマンネリもあるのではと想像する。自信と経験を積んだら全く別の新しいことにチャレンジしたくなるものではないか。
記事にはシリーズを重ねるごとに内容とボリュームを増していかざるを得ないことについて触れられているが、まさにチキンレースだ。ここまま進めばいつかは開発か破綻してプロジェクトが消滅してもおかしくない。日本国内ではすでにAAAタイトルが何年経ってもリリースされない「大破綻時代」になっているように感じるが、MGSVに続いて、FF15・バイオ7・大鷲のトリコがようやくリリースされることでこの先状況は好転していくのだろうか。
また、記事では「週60時間でアンチャーテッドが作れるのか」(1日12時間/週5日勤務)といったことにも言及されている。そう、ハイエンドタイトルの開発は人数を増やせばカバーできるというような簡単な話ではない(勿論、マンパワーでカバーできる部分もあるが)。