ゲーム開発者が偉ぶるブログ

ゲーム開発のビジネスやマネジメントについて日々思うことをあれこれ偉ぶって書き綴ったもの。

リードの使命

ゲーム開発においてセクションリードになると、そのセクションの責任を負うことになる。

具体的には大きく分けてふたつ。

 

1つはマネジメントの責任。

セクションメンバーに対して、彼らのキャリアパスやモチベーションや適材適所を踏まえながら仕事を割り振り、進捗管理し、人事評価を行う。

必要であれば教育し、問題が起これば解決を図り、人員が足りなければ募集・面接・補充を行う。

あと他セクションや上層との折衝も必要だ。

 

もうひとつは制作物に対する責任。

遂行すべき業務を求められる水準の品質でスケジュール内に完了する。

 

開発の規模や要件によってはセクションの人数が1~2人しかおらず、リードと呼べるか曖昧な場合もあるが、少なくとも後者の制作物の責任は負うことになる。

前者はセクションの人数が増えるほどに大変になる。一定の人数や開発要件の難度を越えた場合はマネジメントとクオリティラインの提示のみに集中した方が良い印象だ。

 

そして近年、このどちらにも関わる重要な要素がある。それはアウトソーシングだ。

アウトソーシングするとなれば、例え自分一人のセクションであってもタスク割り振りやワークフローの整備、指示出しやチェック、外交能力が求められてくる。

 

さて、そんな中でリードは何をすべき人物であらねばならないのだろう。

クオリティチェックのためには、リード自身、求めるビジュアルが明確に見えており、何を修正すれば求めるビジュアルになるのかを指摘できなければならない。それはつまりリード自身が求められるビジュアルを表現できることと同義になる。

はたまた、マネジメントやアウトソーシングにはワークフロー策定と管理能力が求められる。

それらの条件をクリアしつつアセット制作もメインで行うなど、今のハイエンド開発で誰ができると言うのか。そんな超人は大手起業の中でも稀有な人物だろう。

 

ならば、せめて分担できれば良いのではないか。

マネジメント担当とクオリティ担当に分けるのだ。リード2名体制、またはリードとサブリード体制だ。これならぐっと現実的になるのでは。

そしてその体制の場合に人事評価もそれぞれリードとしての正当な評価が得られる必要が当然あり、社内に浸透すれば2通りのキャリアパスが確立されるであろうと思う。

それから、もはや各プロジェクトそれぞれで同じようにゼロから模索している場合ではない。マネジメント、アウトソーシング、ワークフロー、これらのノウハウを全員が共有する体制になることが急務に思える。

果たしてこれらがキチンと体制として整っている大手パブリッシャーが国内にどれだけあるだろう?