ゲーム開発者が偉ぶるブログ

ゲーム開発のビジネスやマネジメントについて日々思うことをあれこれ偉ぶって書き綴ったもの。

ゲーム開発の職人はどこへいくのか?

例えばスーパーファミコンSFC)の時代。
プレイステーション(PS1)やプレステ2PS2)の時代。

この頃は、職人が沢山いた。
グラフィックデザイナーであれば、SFCではドッターが。PSではローポリモデラーが。

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守りに入ると悪いのか?

ゲーム業界は技術も情勢も目まぐるしく変わるため、変化への対応力が無いと取り残される‥という危機感を抱く人は多いように思う。

なので、業界歴が長くなり新しいことへの挑戦に対して抵抗する人を「守りに入る」と表現して批判する意見をよく見かける。

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管理職について

こちらの記事を読んだ。メモしておく。

http://blog.tinect.jp/?p=22097

 

組織の硬直化も防げるし、大半の平社員にチャンスが巡りやすい印象を与え、上司に気に入られるよう不必要な努力をすることも減ってメリットが多いように思う。

ただ最初に指摘されているように「他に適任所はいるか?」という問いに対して「いない‥」という場面もある。というか多いと思う。

誰もが地位と発言権と昇給は欲しいだろうが、管理の煩わしさと責任に耐えられるかやプロジェクト全体を俯瞰して対処することができるかといった向き不向きはかなり人を選ぶ。

相当なストレス耐性とコミュニケーション能力が求められる。

でもそれは体験してみないことには分からない。ので、短い任期で管理職を経験する人が増えるというのはスタッフ全体での納得感も増すのではないかと思う。

任天堂に入るには?

任天堂は日本のゲーム会社の中でも入社するのがとりわけ難しい会社な印象がある。

かつて非常に優秀な知り合い何人かが、中途採用で応募してダメだったという話を聞いてきた。

でも私には何となく理由が分かる。

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Ubisoftの開発について

こちらの記事を読んで。

今ならわかる。

Ubisoft本体のシリーズものの大規模プロジェクトは、開発序盤に新技術を検証して投入しつつタイトルのコアとなる新要素を実装すれば、後はアウトソースの管理に追われるだけの仕事と言えるのではと想像する。

アウトソースしていなくとも、大量のアセットを制作しなければいけない中で一体どれだけの人がクリエイティブな作業に関われることができているのかという問題がある。

プロジェクトの大きさから全体を把握できているスタッフが存在せず、専門分野ごとのセクションに分かれて“工場のライン工”のように働き、どのスタッフも替えのきくひとりでしかなかった

何がしんどいかというとこちらだろう。

記事中で会議について語られているように、自分の意見が反映されることは珍しいかも知れない。

もしもそういった大規模シリーズに関わりたい!と思っている場合は、目的を明確にしないといけないと思う。

例えば技術を自分のものにしたい場合だ。

これは入社さえずれば簡単というようなものではない。膨大な業務の隙間に他人のデータを開いてゆっくりチェックする余裕が無かったり、職人技を発揮するベテランが気軽にノウハウを伝授してくれるような環境じゃないかも知れないからだ。

その中で、残業や休日出勤してでもデータの中身を見て学び、普段から情報収集と自己研鑽を行い、スキルを発揮して社内で一目置かれる存在になり、ベテランの技術をどんどん自分のものにしていく‥ということができるだけの意志力を持てるのはほんの一握りの人間だろう。

だけど目標があると人間は強い。ただ任された業務をやり遂げるだけに終始する人間よりもモチベーションは持続でき、そういった環境でのストレスを少しでもスルーできる。

「もう十分だ。もうこのチームから学ぶことは無い」と思えたなら、会社を離れて自由にすれば良いと思う。

だが、技術の先端を行く企業というのは非常に能力の高い人間が多数在籍しており、刺激もあり、またそういう環境から離れると最先端の持続が途端に難しくなる。

また、うってかわってマネジメントに興味ある人間にとっては、大きなチームをコントロールするというやりがいもあるだろう。

そういった職場に魅力があるのも事実なのだ。

Donuts社のRMT問題に関して

最近またソシャゲ界での問題が話題になっているが‥

ここで取り上げられているDonuts社のRMTリアルマネートレード)問題について考えてみる。ちなみに私のRMTに関する知識は浅い上に古いので、今後調べるためのメモ程度のものになる。

さて、気になるのは以下の点。

①ユーザーがソーシャルゲーム内データを購入できる
②ユーザーがソーシャルゲーム内データを販売できる(お金を得ることができる)
ソーシャルゲーム運営側がゲーム内データをユーザーが売買できる場を提供している
④運営側がユーザーを装ってゲーム内データを売買している
⑤売買するデータはガチャで得られることからギャンブル要素が強い
⑥売買されるのはデジタルデータである

さて。

①に関しては、特に問題ないように思う。
ゲーム内の専用通貨を購入したりDLCを購入するのは昔からあり、今も主流だ。
ただその内容で物議を醸すことはあるが。例えば家庭用ゲームのテイルズオブヴェスペリアでレベルアップやゲーム内通貨をDLC販売したような例だ。個人的には「ゲーム体験が損なわれないようちゃんとゲームデザインが設計されている」ならアリだと思うが。

②に関しては、問題になりそうだ。
オンラインゲームではRMT業者がユーザーからゲーム内通貨やアイテムデータ等を買い取るということがあり、RMTを禁止している運営側から業者が摘発されたり、また売買に関与したユーザーのアカウントを削除するといった対応が昔から随時行われてきていると認識している。
また、10年以上前の話になるが、ハンゲームにてユーザー同士でアイテムの売買が行われていたことが問題視されていた記憶がある。その際にYahoo!オークションが利用されていたりもした。FF11でもRMT業者のHPだったか、掲示板等で廃人装備のキャラクターをアカウントごと10万や20万といった額で販売するといった光景もあった。クラーケンクラブがウン十万で販売されていたりというのはFF11ユーザーなら懐かしい話だろう。
これらユーザーによるゲーム内データの売買そのものが法律的にどうかというのは分からない。まだルールが定まっていないという認識で合っているのだろうか。デジタルデータは劣化しないため中古という要素が無い。著作物であることが多いだろうから著作権者(運営側だろうけど)が許可していないならアウトだろうが、許可している場合はどうなるのか。

③に関しては、ゲーム内データや通貨の販売を運営側が公式に行うという事例は昔から普通にあるように思う。いわゆる公式のRMTではエバークエストの例を知っている。最近ではディアブロ3が行っていたとか。ただそれらは運営側が売るだけで、その場合は何も問題ないだろう。こちらもやはり問題になりそうなのはユーザーが販売できるという点だろう。

④これは問題ではあると思うが、どういう種目になるのだろうか。詐称罪あたりなのか?

⑤運要素が強くゲーム内データを得るために高額の費用が発生する可能性があるという点に問題があるのだろうが、例えば食玩はガチャに近く「シークレット」というレアものを入手するために買い続けたり、イエローサブマリンYahoo!オークションで手に入れる人もいる。じゃあこれは法的にOKなのか?ゲーム内データとどう違うのか?と純粋に思った。ビックリマンシールもそうだが、食玩などの場合は商品そのものではなくおまけであることが要点になってくるのだろうか。

⑥デジタルデータということは、運営側が確率をいつでも簡単に変更できるという点と、先にも書いたが劣化しないので中古という要素が無い点が大きそうだ。

このあたりは私にはサッパリ分からないので、情報を追っていきたい。