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ゲーム開発者が偉ぶるブログ

ゲーム開発のビジネスやマネジメントについて日々思うことをあれこれ偉ぶって書き綴ったもの。

技術書の執筆の難しさ

ビジネス・起業 ゲーム開発 スキル

先日、CG関連の技術書の印税の話をした。

日本は今でもCG関連書籍が少ないように感じる。が、それは出しても売れないことの裏返しだろう。書籍はゲームソフトとは違い、小売店(本屋)から返品が可能であるという。売れる見込みが無いと本を刷れない。

電子書籍のみで出せば在庫の心配が無くてノーリスク?

いや、それでは購入者はさらに減り、また筆者の執筆料に最低保証をどうするのかという問題がある。紙の書籍の場合は最初に発行部数があり、それに合わせてある程度の部数を原稿料として払ってくれるのだ。一冊も売れなかったとしても最低保証分は払ってもらえるからこそ、執筆しようという気持ちになるものだ。

だが難しいのは売るだけでなく中身の問題もある。

沢山売りたいなら広く浅くという内容になり、ニッチな技術を扱う場合は入門書からとなる。執筆者にとって入門書ほど書くのが面倒なものはない。ソフトウエアの解説書なら、インストールとGUIから説明しないといけないのだ。そんなもの、マニュアルを読めと言いたくなる。しかしマニュアルを読まない読者層に読んでもらうためにも、イラストや図をふんだんに使って文章少な目でテンポ良く展開してゆく必要がある。

そして簡単に陳腐化する。一番困るのはメジャーバージョンアップが激しいソフトウェアを扱う場合だ。一年経つともう書籍の通りにいかない箇所が出てくるのは書き手としてもツラい。

こういった理由によって技術書を書く技術者としては非常にモチベーションが上がり難い。技術者は情報発信はしたくても、自分でなくてもできる余計なことに貴重な時間を割きたくないものだ。

しかも書籍になるともなるとブログによる発信とは違って間違った情報を書いてしまった時にリカバリーか効きづらい。いや、当然ながら「間違った情報は書けない」という心持ちで臨むものだ。なので当たり前のように知っていることでさえも、単語の使い方は正しいか、言い回しは正しいかという部分から始まり、技術回りについても入念に調べて書く必要がある。

「知っていることをそのまま書く」だけでは全く済まないのだ。非常に大変な労力がかかる。

ブログは書く方にとっては気楽だが、読み側にとっては情報があまりに分散されていてまとまっていないため、リファレンスとしても、集中して学びたい場合にも向かない。

ただ近年は技術書の同人誌が増えてきている。これは嬉しいことでもある。ただしこれらは当然ながら赤字覚悟で有志で制作しているものであろう。

もう少し、大手企業が業界全体のために書籍を出すのを助長するような動きがあると良いのだが。国から補助金とノルマでも与えられない限り実現は難しいだろうか。