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ゲーム開発者が偉ぶるブログ

ゲーム開発のビジネスやマネジメントについて日々思うことをあれこれ偉ぶって書き綴ったもの。

プロジェクトの成功ってなんだろう

ゲーム開発においての普遍的な「プロジェクトの成功」ってなんだろうかと改めて思ったので、考えたことを書いてみる。

リリースすること?

リリースするのは最低条件だ。

会社に大きな利益をもたらすこと?

これはその通りだろう。

利益を言葉通りに受け取れば金銭だが、プロジェクトの進行によって育った人材、積み上げた実績も利益だろう。

実績というのは研究成果、検証成果、失敗や成功によるナレッジ積み重ね、確立したワークフローなど、何か結果が出たもの全てを指す。

逆に言えば、リリースして目標よりもずっと多く売り上げたとしても、開発現場は無理が祟って死屍累々の有様となれば、次のプロジェクトどころか会社の存続にも悪影響が出かねない。

また、売れても世間の評判が散々な結果になるというのは「No Man`s Sky」のような例もあるし、期待が大きい有名タイトルのシリーズなんかでもよくある話で、次回作に悪影響を及ぼす。

もちろん金銭も重要だ。プロジェクト・ソラのような特殊な例を除けば、会社が存続できなければ従業員に給与も支払えない。

名作である「風の旅人」は内容も素晴らしくセールス的にも大ヒットしたものの、スケジュールの延期による影響でソニーの支払いも遅延し倒産したというのだから。

「ABZU」もちゃんとリリースされて良かった。

 

話が逸れたが、ここまでをまとめると‥

① まずはちゃんと完成してリリース

② 売れて会社が潤い存続していける

③ ユーザーにも満足してもらい

④ スタッフが疲弊せず成長して

⑤ ①〜④により次のプロジェクトに繋がっていく

‥というのが一般的に当てはまるプロジェクトの成功だろうか。

言い換えれば「お客さまがハッピー!」「会社もハッピー!」「従業員もハッピー!」つまり簡単に言えば「みんなハッピー」というのが成功ということだ。

勿論、何かの礎と位置付けられたプロジェクトであれば、別の「成功」の定義付けがなされているかも知れない。

以前にも書いた気がするが、最初からシリーズ化するつもりで一作目はコストをかけて模索し、単体では回収できなくてもシリーズを重ねて回収できれば由とする戦略は大いにありだと思う。「ウォッチドッグス」はそんな感じではないか。大規模オンラインゲームが長期的に回収を考えるように。

また、技術デモのような立ち位置のゲーム開発があっても良いように思う。企業の名を広めブランドを高めて優秀な人材に呼び掛けよりチャンスとなる仕事へと繋げる。
ヘキサドライブの「大神HD」を始めとするHDリマスターの仕事ぶりには大きな感銘を受けた。

さて。

この①〜⑤を全て為すという当たり前すぎる目標を達成するのは、実のところかなりの難題なのではないか。

プロジェクトを立ち上げる時に、今のスタッフと環境と予算と期日と開発経験で実現可能だという見通しはちゃんとあるのか?

もしも見通しが甘いまま開発を進めてしまった日には、ひどいクオリティのものが出てしまうか、そこそこのものが出来上がって社内が死屍累々となるか、はたまた完成しなくて中止になるか‥

どの道良い結果にはならないだろうと想像する。

ギャンブル要素が強いゲーム開発でプロジェクトの成功を納めるには、①~⑤ひとつひとつに対して真摯に向き合うことが最低限必要なのではないかと最近特に思う。

また、人が残らない会社にどんな価値が残るというのだろう?