部下を定時に帰す仕事術の感想1 工数割り出し
この土日に、佐々木常夫さんの著書「部下を定時に帰す仕事術」を読んだ。
部下を定時に帰す仕事術 ~「最短距離」で「成果」を出すリーダーの知恵~
- 作者: 佐々木常夫
- 出版社/メーカー: WAVE出版
- 発売日: 2009/02/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本では著者の経験談を元に、課長クラス向けに仕事の時間管理、ひいては会社員個人のライフ・ワーク・バランスと会社の成長について語られている。
ご本人が壮絶な人生を送られており、差し迫った状況を打破しながら実績を積み重ねて会社を登りつめていかれているが、大学時代での家庭教師の成功話からも、恐らく状況に関わらず能力の高い人であろうことが伺える。
非常に読みやすく書かれており、200Pほどというのもあって一気に読めた。
ゲーム開発にも当てはまることがいくつもあり、考えるきっかけになりそうなので何度かに分けて感想を書いてみたいと思う。ただし、読んで得たものを忘れないよう自分へのメモが目的なので、本書を読んでいない人向けの記事にはならないと思うのであしからず‥
作業見積もりについて
少し前に、ゲーム開発での見積もり精度の低さについて書いた。
偉そうに書いてはいるが、私自身が高い精度で見積もれるかというと全くそんなことは無い‥
本書では、佐々木氏が仕事時間を切り詰めないといけない状況に立たされた際、まずこの1年を振り返って、実際にかかった工数と本来の工数を割り出し「60%が無駄だ」と判明したと書かれている。
これは、振り返って分析しないと誰も気付かず年数を過ごしてしまうという恐ろしい話でもある。
そして、開発期間がタイトルによって非常に不規則なゲーム開発において「去年の今頃何をしていたか」や「この1年では何にどれくらい時間をかけたか」を工数を割り出すほど具体的に振り替えることはなかなか無いだろう。
例えリード職で無くとも、自分が過去に行った作業に対して振り返るだけでも、今よりも確実に一歩ビジネスマンに近付けるように思う。
ゲーム開発職は「芸術品を創造するアーティスト」であるかのような美徳が存在する。
それはプライドやモチベーションにも繋がり、大切な面もあると思う。
しかし、まずは予算と納期を守って売上を達成しなければ存続できないのも事実で、その足枷の中で力を発揮できる人こそが、様々なプロジェクトを経つつもずっと活躍し続けていけるのだろうと考える。