ゲーム開発者が偉ぶるブログ

ゲーム開発のビジネスやマネジメントについて日々思うことをあれこれ偉ぶって書き綴ったもの。

ゲーム開発を効率化できないか?

ビジネス系の記事やツイート等でしょっちゅう見かけるのは「日本人はダラダラ長時間働いて能率が悪い」「無駄な会議が多く長い」「定時帰りを義務化したら改善された」「会議を無くしたら改善された」みたいな話だ。

これらはゲーム開発にも当てはまるのか?ということを考え始めたら考えが色々と多岐に及んだので、ひとまず開発そのものにおいて非効率な「あるあるケース」を列挙してみた。

 

と、その前に。

ゲーム開発と言っても予算を出すメーカー内製と、タイトル丸々請け負うディベロッパーとでは性質がかなり変わる。

私はどちらも経験しているが、それぞれに素晴らしい面もあれば、その立場が故に抱えている問題もある。

が、ここではその辺りの要素は置いておくとする。

 

さて、まずは何と言ってもスケジュールの見積もりがとにかく甘いことが挙げられるのではないか。

スケジュールの見直しは頻繁に行われる上に、タスク管理をシステム的に導入していない場合はタスクを後回しにしたまま忘れてしまうこともよくある。

普段から何にどれくらい時間がかかっているかの数字が残っていないといつまで経っても見積もり精度が上がっていかない。

 

次に、企画の全貌が明確になる前に量産体制に入ることが多いこと。

アルファ版は「試作品」を意味するとは思うが、主要な要素が一通り仮データであっても入っており「プレイしてどうかを判断できる状態」になっていなければならないように思うが、規模の大きいプロジェクトほどそうはいかない。

量産開始時に全体ボリュームがまだ不明瞭な状況だとしたらひどい話だ。スケジュール以前の問題なように思う。

 

また、作っては壊すというスクラップ&ビルドが日常的というのもあるだろうけれども、それが開発終盤にまで及ぶとなると問題だ。

壊さずとも、後から後から仕様の追加があるというのもよくある話だ。発売日が延びるというのはユーザーをがっかりさせることでもあり、延期が重なれば購買意欲を削ぐことになりかねない。また、開発が延びればその分開発費も増す。常識的に考えれば、仕様追加ではそのために発生するコストの分だけ販売本数が延びるなどにより回収できるという判断材料が必要なハズだ。

 

それから、基本的にコミュニケーション不足なために「実装してみたら意図と違っていた」みたいなことが、プランナーとグラフィッカー、グラフィッカーとプログラマ、プランナーとプログラマ間でよく起こる。単に連絡不足だったり相談が足りないだけだったりする。

それが重なれば若い子の場合は愚痴り出すようになり、ベテランの場合はどんどん不機嫌になっていってやがては要求を呑まなくなることもあるかも知れない。

 

そして最後に会議について。

これは確かに無駄に長い。

理由は明確で、直接関係なかったり意見を出さない参加者が多いこと、事前資料を読んで来ない人間が多いこと、会議で何を決めるか事前に明示してないこと、どんな問題や課題があるか事前に洗い出ししていないこと、会議の終了時間を明示していないこと、資料を読んでいない人間が多いので企画者がその場で読み上げて解説すること、企画者が実装時に想定していない点が多くて持ち帰って再考するケースが多いこと、実装難度が高い要求に解決策がスマートに出ずに進まないこと、などなど色々とある。

 

今ざっと挙げたものは、何もディレクターが悪いとかリーダーが悪いとかを言いたい訳ではなく、その状況を認識しながら解決しようとしないチームになっているとしたらそれが問題なのではないかと言いたいのだ。

立場的に言えないことも多いと思うが、可能な範囲内で努力することはできる。

もしこれら一つ一つの問題に対してきちんと向き合い、具体的な策を練って解決しようと行動と振り返りを重ねるチームになれば、解決されてゆくことも多いのではないかと思うのだが。

果たして。