ゲーム開発者が偉ぶるブログ

ゲーム開発のビジネスやマネジメントについて日々思うことをあれこれ偉ぶって書き綴ったもの。

分業について

ゲーム開発は分業体制で行われる。

同人ゲームであっても、絵も音楽もプログラムも分担しないで作るケースは珍しいだろう。

家庭用ゲーム黎明期はプロデューサーやディレクターは存在しなかったかも知れないが、今は必須の役職と言える。

業界全体的に最も細分化されているのはグラフィックデザイン職だろう。

昔は比較的ジェネラリストが好まれる傾向だった気がするが、PS1〜PS2と盛り上がっていくにつれスペシャリストとして特化していく傾向になり、3DSあたりから家庭用ゲームに陰が落ち始めるとともにまたジェネラリストが求められるようになってきたりとその時々での風潮みたいなものを感じることがある。

仕事場ではジェネラリストであることを求められているのかスペシャリストであることを求められているのか、また自らはどのように立ち回りたいのかは、キャリアパスにおいて重要な要素でもある。

例えば、今ZBrushを極めたいと思ったとして、そのスキルが活かされるであろうハイエンドタイトルで実際にどれくらい需要があるかは先も含めて見通しながら考えたいところだ。

というのも、スカルプトを含んだアセット量産はアウトソーシングするケースが増えている傾向にあるからだ。

勿論、アウトソース先に指示を出してチェックするにはある程度の技能と知識が必要だろう。ただ、重要度の点では必要最低限で良いとも思える。

少なくとも自分がやりたいことについて考える一方で、どんなスキルを磨けば食いっぱぐれが無いかは常に考えておきたい。

さて、分業するからにはある程度スペシャリストとしての働きを求められているのが基本前提になるだろう。

それは、逆に言えば「担当外の領分には口出し無用」という空気にも繋がり、それが悪い方面に進行するとやがて「担当外のパートに対して無関心」という状態になる。

そうなると「それは私の仕事じゃない」という、所謂「お役所仕事でたらい回し」みたいな状況になる可能性がある。

ディレクターによる統制やリード同士の連携が上手くいっていれば、チームが縦割りになる状態はそれほど問題にならないかも知れないが、そこが上手くいかない場合も多いような気がする。

しかしそれは統率者達の不備の問題であって、組織としては基本的にはスタッフは求められる業務を淡々とこなしてもらいたいところだろう。

しかし作業要員という状況にただ甘んじているだけだと、足切り要員にもなる。

なので、リード職で無い場合にはスペシャリストやジェネラリストとして己を磨きつつ、日々の業務の中でスキルを発揮していくべく心に留めておきたい。