ゲーム会社員のお給料とキャリアパス
ゲーム会社の開発職のスタッフのお給料は一体いくらくらいなのか?
誰もが気になるが、あまり人に聞けない話題のひとつでもある。
これは自身の経験則からになるが、年収350~400万が平均といったあたりがリアルな感じじゃなかろうか。
もっと具体的に言えば、30代前半で300~350万くらいの額がよくあるケースではないかと思う。
逆に30歳前後で400万すでにある人は業界の中では多く貰っている方ではないか。
こちら、従業員が2000人いる中で平均年収が555万とはにわかに信じがたい。
マネージャー層が額を大幅に引き上げている訳ではないとしたら、また2015年現在でもこの額だとしたらかなり恵まれている例ではないか。
ちなみにCEDEC運営委員会が毎年、開発者向けにアンケートを取って発表しており、そこには年収についても含まれている。
これには「実際よりも高い水準に感じる。全く意味のないアンケートだ」という声をSNSでよく見かける。
実際に高い水準になっているだろうと私も思う。
だが、全く意味のないアンケートとは思わない。
CEDECに参加するような人間は、会社間の交流を目的とするやや地位の高い人間、研究職に就いているいる人間、現場の中でもリードやそれに準ずるコアスタッフ、モチベーションの高い人間(CEDECに参加を許されるというのはそこに対してお金を払うことを社内で認められているということでもある)というように、ゲーム業界の全従業員の中でも給与水準が高い傾向だったとしてもごく自然なように感じる。
その前提で、CEDECのアンケートからある程度の係数をかけて低くしたものが実際の平均年収に近くなるのではないか。
ちなみに昔は「年齢+1」万円の月給(手取り?)が貰えたら良い方!みたいなよく分からない謎の指標があったりしたが、誰が言い始めたんだろう?
この指標だと30歳あたりから下回ってくるだろう。
話が逸れた。
30歳前半で350万あればそれなり、40歳で400~450万あればそこそこ恵まれている方なのかも知れない。IT業界などと比べるとやたら低いようなイメージもあるが、アニメ・映像・Web・DTPといったコンテンツを制作する業界と比べると、ゲーム業界は金銭面でも労働の過酷さでもまだマシな業界のようにも感じる。
このあたりは賛否あるところだろう。
この記事を読まれた方には、ぜひコメント欄に年齢と年収をコメントして欲しいところだ。
余談だが、企業の口コミを投稿&掲載する会員サイトがあり、年収も記載されている。
例えばこういったサイトだ。
こちらもまた参考にはなるだろう。
さて、話を本題に戻す。
年収350~400万円あたりがリアルな平均年収じゃないかという話だ。
しかしそうすると、専業主婦の奥さんと子供を養うというのは正直厳しい。
会社側としては、従業員のお給料を無尽蔵にアップしていく訳にはモチロンいかない。
簡単に解雇したり給与を下げたりできるお国柄ではないので、リスクに備えて給与はなるべく抑えたいし、昇給に関してもゆっくりと少しずつ上昇していくよう給料を設定する必要がある。
例え評価がパっとしない従業員でも、少しでも給与が上がらないとモチベーションが下がる。
もし給与がグンと上がるタイミングがあるとしたら、役職の無いスタッフがリードのような管理職になったり、ディレクターになったり、課長になったり部長になったり‥と「昇進」したタイミングだろう。
つまり会社から求められる役割がランクアップした際だ。
会社側としては、一握りの優秀な人間には辞められては困る。
活躍できるポジションを作り、目指してもらい、基本給もグンと上がる”余地”を用意する。
では、その課長や部長といったポジションの椅子が実際にどれだけあるのか?
結局のところ、日本のゲーム会社には(特にグラフィックデザイン職は)リーダーくらいしか役職が無かったりする。
そのリーダー職も大きな企業ほど従業員の数に対して椅子が少ない。
高齢化も進んでいてベテラン層も厚く、20~30代にチャンスが無い。
つまりキャリアパスが無い状態に近い訳だ。
そうすると、真面目にコツコツと日々の業務をこなしていて、そこそこの評価をもらえているだけでは40歳~50歳になった時のお給料がどの程度なのか天井も見えてしまう。
500万円が関の山だろう。
ただ、給与がゆっくりとしか上がらない反面、日本では給料が下がったり解雇されたりといったこともほとんど無い。とは言え、会社が潰れたり吸収されたり縮小したり部門が無くなったりといったことはいつでもありうる‥。
さて、では給与は低く設定しておいたとして、会社の業績が大幅にアップしたり、逆に大幅ダウンした場合、その影響はどこに現れるのか?
これはボーナスに反映するというのが一般的だろう。
業績アップとともに社員の給与をアップしてしまうと、業績悪化した際に厳しくなるからだ。
これは倒産を回避するためにも仕方が無いことではないか。
しかし昨今ではスマホアプリが運良くドカン!と当たるくらいでないと、会社の業績が大きくアップすることなんてそうそう無い。狙ってそれなりに当てることができるのは大きなIPを自由に振舞える有名企業だけではないだろうか。
つまり、ボーナスもアテにはならない状況だ。
ずっと同じ会社で働いていてもキャリアパスも無くお給料も大して上がらない、どかんと当たった時の褒賞金もアテにできない。
そして退職金もゲーム会社はかなり低い。これは計算すると軽くショックを受ける。
定年まで働いて200万出れば良い方ではないか。
人の流動性が高く正規雇用が絞られている中で、そんなものはハナからアテにはできない。
今いるその会社にしがみつく意味がどれだけあるのか?
この先もその会社でやりたいことが明確にあるのか?
会社に何を期待しているのか?
自分が将来どういう環境で活躍したいかというビジョンを形作って、そのためのプランをちゃんと考えて、そのために実力を身に付けて実績を上げ、その実力と実績で社内でのポジションを確立するか、副業するか、はたまた自身の力を最大限発揮できる会社を探して移るなりするしかない。
それを遅くとも40歳までに確立したいところだ。
40歳ではちょっと遅いかも知れない。だから時間はあまりないのだ。
参考:
26歳という若さが異例とは思うものの開発マネージャークラスで500万円台。
非常に現実的な額に思う。
今主にウェブやスマフォ向けでイケイケの企業では違ってくるかも知れないが。